「農」のある暮らし

日曜市のこと

ここ数週間は、毎週日曜市に顔を出しています。

母の店に私の商品を置いてもらっているのでその手伝いという事もあるのですが、ちょっと離れた駐車場に車を止め、他の方々の店舗を見ながら歩くのはとても楽しいものです。

春になって葉物が多くなってきたな。このお店の田舎寿司も美味しそう。わあ、もうタケノコが出てる!!

・・・・目的の母の店は東の端の方。たどりつく頃には手に荷物がたくさん揺れています。

娘は先に走っていっておじいちゃんにお小遣いをもらいお隣のパン屋さんでケーキを買ってすでに食べていたりもします。

私自身は嫁ぐまで周りに農家はおらず、正直、日曜日は「仕事はお休み」の感覚でした。

3年前に就農してからも、子供が小さい事もあって私達夫婦は日曜日は子どもと過ごすと決めていました。

ですが、買い物に来られるお客さんに説明をしながら買っていただく、この行為のなんと楽しい事か!できる事なら毎週行きたい、と思うようになりました。

さらに、最近ある方と日曜市の話になりました。

森田農園は8代目、日曜市は300年の歴史。もしもその頃から出しているとするとこれはすごいよね、と。

調べてみると父が小学生の頃からの出店だそうで、65年ほど前でした。ここ枝川と高知市内をむすぶ咥内坂は明治の時代でも難所と言われていたらしく、馬車でも荷車を引いては上れなかったそうです。

300年じゃなかったと残念がっていた私にその方は、

「これまで65年の歴史があるという事はあなた達の代には100年を迎えるという事。喜ばしい事です。」

と言って下さいました。はっとさせられました。

高知の観光の名所、日曜市。

子供の頃はお客さんとして歩いた追手筋を、今は生産者として歩いている事が、なんとなく不思議で、そして誇らしく感じられるようになりました。娘がもう少し大きくなった時、8代目としてテントの下に立つことが今から楽しみです。